- 2025年12月5日
羽曳野市養護教諭部会で講演
羽曳野市で白内障手術に力を入れています、こにし眼科 院長の小西です。
12月4日に埴生南小学校で養護教諭部会があり、羽曳野市内の小中学校の養護教諭の先生方の会合があり、私も近視に関する話題提供として講演をさせていただきました。
今、日本のみならず、世界的に近視人口は増加の一途をたどっています。2050年には世界人口の約半数が近視になるという恐ろしいデータもでております。日本に関しても例外ではなく、特に小学生、中学生の近視人口は増え続けており、近視発症の低年齢化とともに強度近視の子供の増加も問題になっています。なぜ近視が怖いかというと、裸眼で見えづらいというのはもちろん困るわけですが、大人になってから、病的近視を発症し、緑内障、網膜剥離、近視性網膜症など様々な疾患を引き起こす要因となり、現在でも病的近視は日本人の失明原因の上位に入っています。つまり、子供のころに発症した近視のせいで老年期に入ってもそれがずっと悩みの種となり付きまとわれるわけです。
そんな近視は原則的には治ってしまうタイプの病気ではないため、予防が大事になります。最近の日本眼科学会の論文にもありましたように、特に小学校低学年での近視予防への介入、例えば生活習慣の改善がまず一番の課題となってきます。スマホを長時間見ない、読書後の休憩、外遊びの励行がそれにあたりますが、場合によっては低濃度アトロピン点眼や、学年が上がればオルソケラトロジーの選択肢も出てきます。
そのため、小学校低学年からの近視進行予防への啓発と周りの大人の介入が大事になってきます。
羽曳野市内の学校でも最近近視や生活習慣に関するアンケート調査を行い、養護教諭の先生方が羽曳野市のデータにあわせた保健便りを作成すべく、会議を重ねておられます。動画での作成も考えておられるようです。
私も微力ながらお手伝いさせていただき、地域医療への貢献という私の責務を果たせたことをうれしく思っております。保健便りの完成を楽しみにしております。